アウトドアシーンや災害時の非常用電源として、もはや定番になりつつあるポータブル電源。
人気がある一方で「買ってはいけない」と書かれた記事や、買って後悔したエピソードを目にすることも。
この記事ではポータブル電源購入後の失敗事例と、デメリット、後悔しない選び方をご紹介します。
おすすめのポータブル電源もピックアップしていますので、参考にしてくださいね。
しっかりとポイントを押さえて、購入後に後悔しないポータブル電源を選びましょう!
ポータブル電源購入後の失敗事例
ポータブル電源購入後の失敗はどのようなものがあるのでしょうか?
今回はアンケートを取ってみたので、いくつか紹介させていただきます。
失敗例① 動作音が気になる
購入時、製品を選ぶ際に見落としがちなのが「動作音」
使うシーンによっては、意外と音が「うるさい」と感じることもあるものです。
換気ファンの音だけでなく、ボタンを押した時の音が消せないなど、使用者の口コミも参考にしてみましょう。
失敗例② 重い
ポータブル電源は、容量が大きいほど本体が大きく重くなる傾向にあります。
「持ち運びが便利だから買ったのに、実際使ってみると運ぶのが大変…」なんてことにならないように、あらかじめ重さを確認しましょう。
「取っ手がついているのが良いと思ったが、取っ手が持ちにくく使いにくい」という口コミも見られました。
失敗例③ 差し込み口が足りない
購入前に「どのようなシーンで使うか」「どのような機器を使うのか」を具体的にイメージしてみましょう。
キャンプに使用するなら、扇風機、電気毛布やホットカーペット、ホットプレートなど、季節によっても使う機器が違いますよね。
場合によっては、スマートフォンやパソコンを充電する必要もあるでしょう。
購入前に具体的に使用するシーンや機器の数をイメージし、製品の仕様をチェックすることが大切です。
ポータブル電源のデメリット
それでは、失敗事例を踏まてどのようなデメリットがあるのでしょうか。
大きく分けると6項目の大きいデメリットがあります。
それでは詳しく見てみましょう。
発火のおそれがある
多くのポータブル電源には、リチウムイオン電池が搭載されており、衝撃や高温で発火、発煙の危険性があります。
発火事故の大半は、ポータブル電源の充電中に発生したものとされています。
内部の電池が過熱したり、ショートした可能性がありますが、本体の損傷が激しく原因が特定できないケースも少なくありません。
ポータブル電源に搭載されている電池にはいくつか種類があり、最近では発火の危険性が少なくより安全性の高い「リン酸鉄リチウムイオン電池」を搭載した商品も増えてきました。
事故の詳細について、もっと知りたい方はこちらで検索できます。
「ポータブル電源 火災」で検索 → 事故の消費者庁事故情報データバンク
寿命がある
充電をすれば繰り返し使うことができるポータブル電源ですが、電池は徐々に劣化していくため寿命があります。
劣化したからといって急に使えなくなることはありませんが、充電に時間がかかったり容量が少なくなることで、結果的に使いにくいと感じることでしょう。
ポータブル電源の寿命は「サイクル数」で示され、各社のホームページなどで確認ができます。
製品により差があり、使用環境や状況によっても左右されますので、サイクル数はあくまで目安と考えましょう。
重い
ポータブル電源は、容量が大きいほど本体が大きく重くなる傾向にあります。
超大容量ポータブル電源の中には重さ40kgを超えるものもあり、ハンドキャリーとタイヤが装備されている製品も。
超大容量ポータブル電源では家電の99%をカバーできるなどメリットはありますが、その分本体の重さもあると考えましょう。
製品の仕様に記載がありますので、購入前にチェックを忘れずに。
飛行機には持ち込めない
海外での話ですが、過去にリチウムイオン電池が原因で発生した火災により、貨物機が墜落するという重大事故が起きました。
もしも機内で発煙、発火した場合、多くの人命が危険にさらされることになります。
そのためポータブル電源を飛行機で運ぶ際は、貨物室への預け入れはできません。
一部機内に持ち込みが可能なポータブル電源もありますが、各航空者ごとに細かく制限が設けられています。
日本航空(JAL)の場合、危険物として記載があります。→【制限のあるお手荷物】
金額が高い
ポータブル電源は、容量が大きなものほど金額が高くなります。
予算を抑えると、必要な容量のポータブル電源がなかなか見つからないことも。
とはいえ安すぎるモデルには、安全性に問題がある可能性もありますので正直おすすめできません。
結果的にあまり使えずに買い直すことになると、余計な出費がかさむだけ…。
最近ではコスパも質も高い国内産のポータブル電源も登場していますので、じっくり検討しましょう。
充電が必要
ポータブル電源は「持ち運びができる蓄電池」ですので、当然充電が必要になります。
充電方法やかかる時間は製品ごとに異なりますが、最近では電気が使えない非常時に備え、ソーラーパネルで充電できるものもあります。
「手持ちのソーラーパネルが、ポータブル電源に対応していなかった」という口コミもありますので、互換性にも注意が必要です。
ポータブル電源の後悔しない選び方
出力波形を確認
出力波形とは、ポータブル電源から出力される電気の波形のことで、『正弦波』『純正弦波』と『矩形波(くけいは)』『修正正弦波』があります。
一般的なコンセントから出力されているのは正弦波で、多くの家電はこの正弦波の電気を使うことを前提に作られています。
つまり正弦波、もしくは純正弦波のポータブル電源であれば、家庭用のコンセントと同じ感覚で使うことができます。
一方で矩形波(くけいは)、修正正弦波のポータブル電源は、安価で小型化しやすいというメリットがありますが、使える機器が非常に限られることが特徴です。
機器の誤作動や故障、劣化につながる恐れがあるため、購入される際は「正弦波」「純正弦波」と記載のあるものを選ぶとまず間違いないでしょう。
定格出力・容量を確認
定格出力とは、ポータブル電源が安全に安定して出力し続けられる電力の量のことで、W(ワット)で表されます。
定格出力が500Wのポータブル電源に、消費電力が600Wの機器を繋いでも使用することはできません。
仕様書には定格出力よりも大きな数字の「最大出力」が表記されていますが、最大出力はあくまでも「瞬間的に出せるパワー」のことであり保険的な要素が強いため、購入の際は必ず定格出力を基準にしましょう。
容量はWh(ワットアワー)で表され、Whの数値が高いほど容量も大きくなります。
まず使いたい電化製品の消費電力を合計し、どのくらいの時間使うかを予想しましょう。
消費電力(W)✖️時間(h)🟰必要な容量(Wh)
こちらの計算式で、必要なポータブル電源の容量が求められます。
ディスプレイやファンなど、ポータブル電源自体を動かすためにも電力が消費されるため、目安として容量の70から80%程度が実際に使える電気の量です。(製品により異なる)
余裕を持った容量のポータブル電源を選ぶと安心です。
ポート数や種類を確認
ポータブル電源には、出力ポートと入力ポートがあります。
出力ポートは、ポータブル電源に外部機器を繋いで使用し、入力ポートはポータブル電源自体を充電する際に使用します。
必要な出力ポート数はどのような機器を使用するかで変わりますので、購入前に具体的に使用するシーンや機器をイメージしておくことが大切です。
ACポート:一般的な二つ穴形式のコンセントに対応。コンセント1つあたりの定格出力も必ずチェック!
ソケットタイプ:車載用の掃除機や扇風機などが使用できる
USB :AやType-Cなど。ノートパソコンなどのデバイスに使用できる
充電は、一般的には専用のACアダプタが付属していることがほとんどです。
ソーラパネルやUSB Type-Cを使用して充電したい場合は、対応の入力ポートがあるかを確認しましょう。
アフターサービス等を確認する
ポータブル電源購入時に必ず確認したいのが、アフターサービス。
ポータブル電源は、非常に多くの国で生産されていますが、日本製品と海外製品ではメーカー保証に差があります。
日本製品の場合は、保証期間が3年から5年と長く、修理サポートなどのアフターケアも充実。
海外製品の場合、保証自体がないことも珍しくありません。
あったとしても場合によっては生産国まで送る必要があり、修理などのメンテナンスに時間がかかるため、長期間使用できないなどデメリットがあります。
おすすめのポータブル電源は?
では、その上で失敗しないようなポータブル電源はあるのでしょうか。
というわけでここではおすすめのポータブル電源を紹介させていただきます!
EcoFlow(エコフロー) DELTAPro
定格出力3,000W、容量は3,600Wh
キャスターと伸縮ハンドルのついた大容量ポータブル電源です。
専用のエクストラバッテリーを最大2台接続することで、容量を10,800Whまで増やすことができます。
これは停電時に必要な家庭の電力6日分に相当しますので、災害時も安心ですね。
出力ポートは15搭載されており、とにかく大容量のポータブル電源を探している方にぴったりの1台。
EcoFlow(エコフロー) DELTA2Max
定格出力2,000W、容量2,048Wh
本体重量は約23kgで、同じクラスのポータブル電源と比較すると約30%の軽量化に成功。
充電が早く、ファンの音が静かで安心感があると評判です。
Anker(アンカー) 757PortablePowerStation
定格出力1500W 容量1229Wh
Ankerのポータブル電源のラインナップの中では大容量で、出力ポートは13搭載されています。
このモデルに限らず、Ankerの製品は独自の超急速充電で、1時間あれば80%まで充電可能ですので、災害時も安心です。
EcoFlow(エコフロー) DELTA2
定格出力1500W、容量1024Wh
こちらは、EcoFlow史上累計販売台数No.1を誇るモデルです。
出力ポートは15あり、一般的な電化製品の90%以上を動かすことができるのが強み。
後からバッテリーの増設が可能な点でも、非常に評価が高い製品です。
BLUETTIE(ブルーティー)B70S
定格出力800W、容量716Wh
出力ポートは12あり、容量もしっかりあるので電子機器はもちろん、小型の調理家電も便利に使えます。
特有のエコモードを搭載しており、不要な電力消費を押さえて省エネなのも特徴。
EcoFlow(エコフロー) RIVER2Max
定格出力500W、容量512Wh
X-boostモードをオンにすれば、出力750Wまでの電化製品が使用可能。
1時間ほどで充電ができることから「本当に充電が早い」と多くの口コミが見られました。
EcoFlowは公式から購入しなくても、公式サイトへの登録で合計5年間の長期保証が付いてきます。
Anker(アンカー) 521PortablePowerStation
定格出力300W、容量256Wh
一般的にポータブル電源を充電しながらの使用は推奨されておらず、バッテリーを寿命を縮める原因になります。
しかしこちらは「パススルー充電」というシステムを採用しており、ポータブル電源本体を充電しながら、同時に別の機器を接続して使用することができます。
つまり家庭のコンセントと電気機器の間に、繋ぎっぱなしでOK
いざという時に本体が「充電されていない」ことを防げる嬉しい機能ですね。
BLUETTI(ブルーティー) EB3A
定格出力600W、容量268Wh
わずか4.6kgで持ち運びに便利な小型で軽量のボディですが、600Wと高出力で人気のモデルです。
出力ポートは9搭載。
2色のカラーから選べるのも嬉しいポイントです。
ポータブル電源を買って後悔!?買ってはいけないメーカーはある?
買ってはいけないポータブル電源は、間違いなく「海外製の安価なポータブル電源」でしょう。
相場よりも安価なポータブル電源は、発火の危険があるリチウムイオン電池を搭載してコストを下げていることがあり危険です。
出力波形が正弦波でなかった場合は、使用した電子機器が故障する恐れもあります。
またアフターサービス自体がないこともあり、故障した場合などのサポートを受けられないことも…
その点日本製のポータブル電源は、安全性、耐久性、アフターサービスどれを見ても安心感があります。
ポータブル電源は決して安い買い物ではありません。
買ってから後悔しないように、ポイントを押さえてしっかりと調べた上で購入しましょう。