災害の多い日本において、非常時の電力の確保はとても大切です。
近年注目されているポータブル電源は、非常時に大活躍する製品です。
ですが、災害なんてそうそう起こらないものだし、いらないのではないか、という声もあります。
ポータブル電源は高コストな製品なので、すぐに購入できるものではありませんから、そんな考えの方もいることでしょう。
そこで今回は、ポータブル電源は本当にいらないのか、それとも役に立つものなのかを、役に立った事例と合わせてご紹介いたします。
災害時にポータブル電源はいらない?
日本では地震の災害を耳にする機会が多い国ですし、台風や大雨などでいつ停電になるかわかりません。
そのような状況で、災害の備えとしてのポータブル電源は本当にいらないのでしょうか?
ここでは、いらないと言われる理由を具体的にあげていきます。
災害時にポータブル電源がいらないと言われる理由
それではなぜ、災害時にポータブル電源はいらないといわれるのでしょうか。
その理由をここでは3つあげていますので、1つずつ解説していきます。
電力はすぐに復旧する可能性が高い
通常時の電力供給の面でいえば、他の先進国と比べて日本の停電は格段に少ないのも事実です。
そのため、停電を経験したこともない人が多いので、災害時の停電でなにが困るのか想像つかない方もいることでしょう。
情報収集のためのラジオは乾電池で十分
情報を得るだけならば、ラジオがあれば、十分と思ってる方もいるかもしれません。
最新の防災用ラジオは、乾電池だけでなく充電方法も様々で、手で回すものや、ソーラー充電やバッテリータイプのものもあります。
バッテリータイプのものは、ポータブルラジオとしてスマートフォンの充電も可能です。
ですが、容量は多くないため、電力供給としては物足りないです。
普段は使わないのでもったいない
ポータブル電源は値段が高く、アウトドアなどの用途がない限り、使い道が少ないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
高性能なポータブル電源は50万円超えるものもあるので、値段に見合った使い道が思いつかないと購入を後悔してしまう可能性もあります。
購入するなら、定期的に使えるような性能や容量のポータブル電源を選ぶことが大切です。
災害時にポータブル電源が役立つ場面
そうは言っても、災害時はポータブル電源があった方が便利なのは事実です。
大災害などで停電が起こるような緊急事態では、長期に渡り電力供給が途絶えてしまいます。
現在の私たちの生活では、電気は欠かせないものとなっています。
ポータブル電源があれば、電気が使えなくなっても快適に過ごすことができます。
ここでは、ポータブル電源が役立つ場面をご紹介いたします。
照明で部屋を明るくする
ポータブル電源があれば、LEDランタンやヘッドライト、充電式の懐中電灯などを使って長時間明かりを灯せます。
照明が使えず暗いままだと、思わぬ怪我をしてしまったり、精神的に不安になってしまいます。
お子様が小さいご家庭は特に、明かりがあるとありがたいでしょう。
ポータブル電源の中には、照明機能が付いているものもあります。
スマホやラジオを充電
モバイルバッテリーで十分なのではと、思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、災害時では長期にわたって電気を使うことが出来ない可能性もありますので、大容量のポータブル電源があれば、安心です。
食材を冷蔵・冷凍できる
冷蔵庫に電力を供給できるので、冷蔵や冷凍で食材を安全に保管することができます。
災害で食料の供給が滞っている時でも、普段と変わらずに食事ができます。
小さなお子様がいる家庭であれば、子供にも安心して食事を提供できますね。
冷暖房器具を使える
ポータブル電源があれば、冷暖房器具を使って極端な気温の変化から、身体を守ることができます。
特に冬の寒さや夏の暑さは身体の健康に害を与えることもあります。
小さいお子さんやお年寄りのいる気配りが必要なご家庭であれば、さらに重宝するでしょう。
簡易的な料理を作る
災害時は保存食が中心になってしまうため、心も疲弊してしまいます。
小さいお子様やお年寄りのいるご家庭などは、家族の食事にも気を使うことでしょう。
ポータブル電源があれば、電子レンジや電気ケトルなどで温かい料理を作ることができます。
食事がきちんと取れれば、災害時でも身体や心の健康を保つことができます。
災害時にポータブル電源が役立ったという声
それでは実際にポータブル電源を、災害時に使用した方の反応はどうなのでしょうか。
ここでは、ポータブル電源が役立ったという声、という内容でアンケートを取ったので、その内容をご紹介いたします。
子供にミルクを飲ませることができた。
数年前に6時間ほど停電した時、子供がまだ小さかったので、お湯を沸かしてミルクを作って飲ませたり、タオルを温めて体を拭いたりするのに重宝しました。スマートフォンも充電できたので、災害情報もすぐに調べられましたし、ラジオも聴けました。
スマートフォンの充電が減るという心配が払拭された。
自然災害では、自宅が停電になってしまい、カセットコンロや懐中電灯はあったものの、TVやコンポなどが使えなくなりました。幼い娘はいつもと違う様子にかなり怯え、動画アプリや音楽アプリで明るい曲をかけ、何事もないことをアピールしましたが、夫もまだ帰宅してなかったため、唯一の連絡手段であるスマートフォンの充電が減るのが恐怖でした。しかし、ポータブル電源のおかげでその不安が払拭されました。
お湯を沸かすことができた。
台風や地震等で停電になってしまった時に、ポータブル電源が活躍しました。携帯の充電をしたり、お湯を沸かしてカップラーメンなどの食事をするなど、最低限のことはできるようになったので助かりました。
冷蔵庫が使えた。
台風シーズンは、停電の時の為に電池を買ったりしますが、もっと大きな電源確保が必要な時には「ポータブル電源」は絶対に必要です。蒸し暑い時に、扇風機を回したり、部屋の電気スタンドを付けたり、一番必要なのは冷蔵庫です。夏は溶けてしまうので、復旧するまで冷蔵庫は守れるとありがたいです。
暖を取ることができた。
何度か家で停電があったときに、冬だったので寒さに耐えられずポータブル電源に小型のヒーターをつけて暖をとったことがあります。また、車中泊の際にスマートフォンを充電するのに使ったり、電気ポットなどの家電に使いったりもしました。
ポータブル電源の防災グッズとしてのメリット・デメリット
それでは、ポータブル電源のメリットとデメリットを紹介させていただきます。
主なメリットとデメリットは下記のようになります。
- 緊急時の電力供給
- ソーラー充電が可能な機種もある
- 携帯性と持ち運びの便利さ
- 充電時間が長すぎる
- 保守と管理が手間
それでは詳しく解説させていただきます。
メリット①緊急時の電力供給
災害時や停電時にポータブル電源を使用することで、緊急時の電力供給を確保できます。携帯電話やラジオ、照明など、生活に必要な機器を動かすための電力をカバーできます。
メリット②ソーラー充電が可能な機種もある
太陽光を利用して充電できるポータブル電源は、災害時においても再充電の手段として有効です。太陽光が利用できる場所であれば、長期間の停電時でも電力を維持することができます。
メリット③携帯性と持ち運びの便利さ
ポータブル電源は軽量で持ち運びが容易なため、避難時や移動時にも利用できます。屋外での避難や非常時の活動において、必要な場所に持ち運びながら電力を利用することができます。
デメリット①充電時間が長すぎる
ポータブル電源は充電に時間がかかる場合があります。ソーラーパネルを使用する場合でも、天候や日照条件によって充電速度が影響を受けることがあります。十分な充電時間を確保する必要があります。
デメリット②保守と管理が手間
ポータブル電源は定期的な保守と管理が必要です。バッテリーの寿命や性能を維持するために、適切な充電・保管・メンテナンスが必要です。正しい取り扱いと管理が行われない場合、性能の低下や故障のリスクがあります。
最悪の場合は火災が発生したという例もあります。
ポータブル電源が役立った事例
災害時には家庭用コンセントが利用できない可能性があるため、ポータブル電源は非常に頼りになります。
具体的な災害状況を想定して、ポータブル電源が提供する利点を確認してみましょう。
スマートフォンやパソコンなどへの電力供給が可能
スマートフォンやパソコンなどの通信機器に電力を供給できるため、常に情報を把握し、自身の安全確認や連絡手段を確保することができます。
周囲の状況を正確に把握することで、行動選択が容易になり、より安全に行動することができる可能性が高まります。
ソーラーパネルでの発電で電力枯渇を回避
ACコンセントからのポータブル電源への充電が不可能な状況になった場合でも、ソーラーパネルを利用すれば太陽光から自家発電することができ、災害時の避難生活期間を延ばすことができます。
ただし、太陽光が当たることが必要ですので、ソーラーパネルの設置場所や角度に注意し、十分に太陽光が当たる場所に設置してください。
また、近隣の方々と電力をシェアすることも検討してみてください。お互いに電力を分け合うことで、助け合いの精神を育むことができますね。
夏場の災害でも扇風機が使える
夏の災害時には、暑さ対策が非常に重要です。
扇風機だけでも使用できれば、体感温度はかなり変わるでしょう。
扇風機は電力消費がさほど気にならず、ハイエンドモデルに限らず運転させることができ、長時間の使用も可能です。
熱中症を予防するためにも、積極的に扇風機を活用しましょう。
災害時に役立つポータブル電源5選を紹介!
というわけで災害時におすすめのポータブル電源にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は当サイトにて5台ほど選ばせていただきました。
EcoFlow DELTA Max
「DELTA Max」というポータブル電源は、EcoFlow(エコフロー)という人気メーカーが提供している最上位モデルです。このモデルには、1,612Whおよび2,016Whの2つの容量バージョンがあります。
DELTA Maxは、定格出力が2000W(瞬間最大出力4200W)であり、USB-C(PD)ポートでは最大100Wの出力が可能です。また、特筆すべきはバッテリーシステムです。
専用のエクストラバッテリーも販売されており、1,612Whモデルでは最大5,644Wh、2,016Whモデルでは最大6,048Whまでバッテリー容量を拡張することができます。
このポータブル電源は、アウトドアやキャンプ、車中泊などのシーンに最適ですが、万が一の状況にも柔軟に対応できる汎用性があります。
Jackery ポータブル電源 1500 PTB152
Jackeryの「ポータブル電源 1500 PTB152」は、既存のモデルよりも大容量かつ高出力な製品です。このポータブル電源は、電子レンジやドライヤーなどの高消費電力機器の使用も可能です。
このモデルの定格出力は1800W(瞬間最大出力3600W)であり、USB-C(PD)ポートの出力は最大60Wです。また、容量は1,534Whと非常に大きなスペックを誇っています。
さらに、「Twin Turbo(ツインターボ)システム」が搭載されており、ACアダプターを2つ接続することで、非常に大容量なバッテリーなのにも関わらず、最短4時間でフル充電が可能となっています。
EcoFlow EFDELTA
このポータブル電源は『EcoFlow』の上位モデルで、超大容量かつ高出力です。
バッテリー容量は1260Whで、最大1,600Wの定格出力があります(瞬間最大出力は3,100W)。さらに、最大13台の製品を同時に充電できるポートも搭載されています。しかし、最も注目すべきは、EcoFLOW独自の「X-Stream技術」により、わずか2時間でフル充電が可能という点です。
このポータブル電源は、スマートフォン(3Ah)の充電を約100回分行えますし、LEDランプの点灯(10Wh)を約36時間分維持することができます。そのため、急な外出や緊急時にも優れた対応力を持つポータブル電源です。
Anker 757 Portable Power Station (PowerHouse 1229Wh)
Ankerのポータブル電源は、かなり大容量なリン酸鉄リチウムイオン電池を使っております。
他のメーカーのポータブル電源と比べると、バッテリーサイクル数は約6倍(3000回)もありますので、パススルー充電で劣化する心配もナシです。
サイズとバッテリー容量に対して、ちょっと重いかもしれませんが、頻繁に移動しないのであれば、長い間ハイパフォーマンスで使えるのはとてもおすすめです。
PowerArQ S7 ポータブル電源PA70-TN
PowerArQの”S7ポータブル電源”は、リン酸鉄リチウムイオン電池を使用しており、3000回以上のバッテリーサイクルを持つことが特徴です。
一般的な13Wのスマートフォンであれば約50回充電することができます。
ソーラー充電やカーチャージ、LEDライトなどの災害時に役立つ機能を備えており、非常灯としても使用できる利点があります。
さらに、本体を充電しながら外部に給電できるパススルー充電機能や、ワイヤレスでスマートフォンやタブレットを充電できる機能も搭載されており、さまざまな場面で活用できます。
効率的に電力を使用し、多機能な製品であるため、ポータブル電源を検討しているすべての方におすすめできる商品です。
ポータブル電源はいらない?災害や停電時に必要ない?役立った事例も紹介!まとめ
今回はポータブル電源は災害や停電時にいらないのか、それとも役に立つのか、ということをお伝えしてきました。
また、ポータブル電源が役立った事例も合わせてご紹介してきました。
ここまでをまとめると下記のようになります。
- 災害や停電時に長期にわたって電気が使えなくなることは起こりうる。
- ポータブル電源は大容量で電力供給できるため、防災時に便利。
- 家族に小さいお子様やお年寄りのいる家庭では、災害時の健康を保つこともできる。
- ポータブル電源は携帯電話やラジオの電力補給ができるため、情報収集や連絡手段も確保できる。
- ポータブル電源は安全性に注意が必要であり、正しく使えば便利な製品である。
ポータブル電源は高コストでは、いざという時に自分や家族のことを守れる便利な製品でもあります。
災害時や停電の備えとして、参考になれば幸いです。